マーケティングとは、「事業戦略」に沿って、いかに市場を創り、育て、うまくコントロールするか?がその仕事の内容です。本項では、市場戦略を考える上での最初の分水嶺について説明してまいります。

市場をコントロールといっても、常に変化する市場をコントロールするというとイメージしづらいかもしれません。上の図では、コントロールする方向性について、「再生」と「創生」という単語を使って、単純化して表現をしています。
再生とは、一度断捨離して、環境に再適合させる。創生とは、全く新しいものを創り出す、ということを意味します。(断捨離については別項で触れます)
概念的ですが、自社の外部にある市場をコントロールするということは、この再生と創生を繰り返しおこない、進化させることなのだと考えています。
また、「市場」とは、商品とその販路によって形成されるものでありますから、上の図のように4つの領域で考えることができます。
1. 新商品を創生×既存販路を再生
新たに商品を創り出し、既存の販路における各チャネルとの関係性や取引条件、ロジスティクスなどの見直しを行うことで、客単価増や買上点数増によって市場シェアをコントロールする進め方。
2. 既存商品を再生×既存販路を再生
既存商品をリニューアルし、既存の販路における各チャネルとの関係性や取引条件、ロジスティクスなどの見直しを行うことで、顧客の離脱防止をして市場シェアをコントロールする進め方。
3. 既存商品を再生×新規販路を創生
既存商品をリニューアルしながら、全く新しい販路へその商品を流通させることで、新しい顧客層の開拓をして市場シェアをコントロールする進め方。
4. 新商品を創生×新規販路を創生
新たに商品を創り出し、これまでとは全く異なる販路開拓することで、新事業分野の開発を実現して市場シェアをコントロールする進め方。
これら4つのうちどれかを行えばいいというわけではなく、すべてを実行する必要があるのですが、4領域を同時進行させるというのは、いくらなんでも無理がありますので、事業戦略に基づいて、資源配分の重み付けをして、順序をずらしながら、経営計画の工程に組み込んでいきます。